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Advanced Day 2: GitHub Classroom講師体験 👨‍🏫

🎯 今日の目標​

GitHub Classroomを使って、プログラミング課題の配布・採点・フィードバックを自動化する方法を学びます。

📚 学習内容​

1. GitHub Classroomとは？​

GitHub Classroomは、教育現場でGitHubを活用するための無料ツールです。

主な機能​

  • 📝 課題の一括配布
  • 🤖 自動採点機能
  • 📊 進捗の可視化
  • 💬 個別フィードバック
  • 🔒 プライベートリポジトリの提供

メリット​

  • 講師側: 課題管理の効率化
  • 生徒側: 実践的なGit/GitHub体験
  • 双方: リアルタイムな進捗確認

2. Organization作成手順​

Step 1: GitHub Organizationの作成​

  1. GitHubにログイン
  2. 右上のプロフィールアイコン → 「Your organizations」
  3. 「New organization」をクリック
  4. 「Create a free organization」を選択

Step 2: Organization情報の入力​

Organization account name: your-school-2025
Contact email: your-email@example.com
This organization belongs to: A business or institution

💡 命名のコツ: 学校名-年度 の形式がおすすめ

Step 3: メンバーの招待（後でも可）​

  • 共同講師がいる場合は招待
  • Ownerロールを付与して共同管理

3. GitHub Classroomのセットアップ​

Step 1: Classroom作成​

  1. classroom.github.comにアクセス
  2. 「Sign in with GitHub」でログイン
  3. 「New classroom」をクリック
  4. 作成したOrganizationを選択

Step 2: Classroom情報の設定​

Classroom name: プログラミング基礎2025
Identifier: prog-basic-2025

Step 3: 生徒の招待設定​

  • Roster（名簿）の作成
    • 生徒の本名とGitHubアカウントを紐付け
    • CSVでの一括インポート可能

4. 課題テンプレートの作成​

基本的な課題構造​

assignment-template/
├── README.md          # 課題説明
├── src/              # 生徒が編集するファイル
│   └── main.py       # スターターコード
├── tests/            # 自動テスト
│   └── test_main.py  # テストコード
└── .github/
    └── classroom/
        └── autograding.json  # 自動採点設定

README.mdの例​

# 課題1: Hello World関数の実装

## 課題内容
`src/main.py`の`greeting`関数を完成させてください。

## 要件
- 引数`name`を受け取る
- "Hello, {name}!"という文字列を返す
- nameが空の場合は"Hello, World!"を返す

## 提出方法
1. このリポジトリをクローン
2. `src/main.py`を編集
3. コミット＆プッシュ
4. 自動テストの結果を確認

## 評価基準
- 基本実装: 60点
- エッジケース対応: 40点

スターターコード例（src/main.py）​

def greeting(name):
    """
    名前を受け取って挨拶を返す関数
    
    Args:
        name (str): 挨拶する相手の名前
        
    Returns:
        str: 挨拶メッセージ
    """
    # ここにコードを書いてください
    pass


# テスト実行用
if __name__ == "__main__":
    print(greeting("Alice"))
    print(greeting(""))

5. 自動採点の設定​

autograding.jsonの作成​

{
  "tests": [
    {
      "name": "基本的な挨拶テスト",
      "setup": "pip install pytest",
      "run": "pytest tests/test_main.py::test_basic_greeting -v",
      "input": "",
      "output": "",
      "comparison": "included",
      "timeout": 10,
      "points": 60
    },
    {
      "name": "エッジケーステスト",
      "setup": "pip install pytest",
      "run": "pytest tests/test_main.py::test_edge_cases -v",
      "input": "",
      "output": "",
      "comparison": "included",
      "timeout": 10,
      "points": 40
    }
  ]
}

テストコード例（tests/test_main.py）​

import sys
sys.path.append('../src')
from main import greeting

def test_basic_greeting():
    """基本的な挨拶のテスト"""
    assert greeting("Alice") == "Hello, Alice!"
    assert greeting("Bob") == "Hello, Bob!"

def test_edge_cases():
    """エッジケースのテスト"""
    assert greeting("") == "Hello, World!"
    assert greeting(None) == "Hello, World!"

6. 課題の配布​

Step 1: Assignment作成​

  1. Classroomダッシュボードで「New assignment」
  2. 以下を設定：
    • Title: 課題1 - Hello World関数
    • Type: Individual assignment（個人課題）
    • Repository prefix: hello-world
    • Visibility: Private

Step 2: テンプレートリポジトリの指定​

  1. 「Add a template repository」をクリック
  2. 作成した課題テンプレートを選択
  3. 「Continue」をクリック

Step 3: 自動採点の有効化​

  1. 「Enable autograding」にチェック
  2. 「Import from repository」で設定をインポート

Step 4: 招待リンクの共有​

https://classroom.github.com/a/xxxxxxxxxxx

このリンクを生徒に共有

7. 生徒管理のコツ​

進捗管理​

## 週次チェックリスト
- [ ] 全生徒の提出状況確認
- [ ] 自動テストの失敗パターン分析
- [ ] 個別フィードバックが必要な生徒の特定
- [ ] 共通の間違いについてクラス全体にフィードバック

効果的なフィードバック方法​

  1. Pull Request機能の活用

    • コードの特定行にコメント
    • 改善提案の具体例を提示

  2. Issues機能の活用

    • よくある質問をFAQとして整理
    • 生徒同士の質問・回答を促進

  3. 定期的な振り返り

    • 提出率の推移を可視化
    • 改善点を次の課題に反映

8. トラブルシューティング​

よくある問題と対処法​

生徒がリポジトリにアクセスできない​
# Organization設定を確認
Settings → Member privileges → Base permissions
→ "Read"に設定されているか確認
自動採点が動作しない​
  • GitHub Actions が有効になっているか確認
  • テストコードのパスが正しいか確認
  • requirements.txt がある場合は含まれているか確認
提出期限の設定​
⚠️ GitHub Classroomには提出期限機能がありません
代替案：
1. READMEに明記
2. 期限後は手動でアクセス権限を変更
3. Google Calendarなどで別途管理

🎯 実践課題​

課題: 実際にClassroomを作成してみよう​

  1. Organization作成

    • 練習用のOrganizationを作成
    • 名前はtest-classroom-あなたの名前

  2. 簡単な課題テンプレート作成

    • FizzBuzz問題
    • 自動テスト付き

  3. テスト配布

    • 自分で生徒役もやってみる
    • 提出から採点まで体験

💡 応用テクニック​

GitHub Actionsを使った高度な自動化​

name: 提出時通知
on:
  push:
    branches: [ main ]
jobs:
  notify:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - name: Slack通知
        run: |
          curl -X POST -H 'Content-type: application/json' \
          --data '{"text":"新しい提出がありました！"}' \
          ${{ secrets.SLACK_WEBHOOK }}

成績管理スプレッドシートとの連携​

  • GitHub APIを使用して提出状況を自動取得
  • Google Apps Scriptで成績表に自動反映

📝 チェックリスト​

  • Organizationを作成した
  • GitHub Classroomにサインインした
  • Classroomを作成した
  • 課題テンプレートを作成した
  • 自動採点を設定した
  • 課題を配布した
  • 生徒視点で提出を体験した
  • 採点結果を確認した

🎉 まとめ​

GitHub Classroomを使うことで、プログラミング教育が大きく効率化されます。

  • 課題管理の自動化
  • リアルタイムなフィードバック
  • 実践的なGitHub体験の提供

次回は、GitHub Actionsを使ったさらに高度な自動化について学びます！

🔗 参考リンク​